子犬のしつけはいつから?基本の考え方と最初に教えたいこと

白い柴犬とテント、ランタン、ノートを描いたペットとの暮らしとおでかけカテゴリのイメージ ペットとの暮らしとおでかけ

 子犬を迎えると、うれしい気持ちと同時に、
「しつけはいつから始めればいいの?」
「オスワリやフセはどう教えればいいの?」
「叱ってもいいの?」
と迷うことがあると思います。
犬のしつけは、犬を無理に従わせるためのものではありません。
愛犬が人間社会の中で、安全に、安心して暮らしていくための練習です。
そして、飼い主さんと愛犬が気持ちよく暮らしていくための大切なコミュニケーションでもあります。
この記事では、子犬のしつけを始める時期、褒めるしつけの基本、最初に教えたい行動、気をつけたいポイントを初心者向けに整理します。
結論:子犬のしつけは迎えた日から少しずつ始めてよい
結論からいうと、子犬のしつけは「家に迎えた日」から少しずつ始めて大丈夫です。
ただし、最初から厳しく教え込む必要はありません。名前を呼んで反応する、トイレの場所に慣れる、クレートを安心できる場所にするなど、暮らしの中で無理なく始めることが大切です。
特に生後12週ごろまでの社会化期は、さまざまな経験に慣れやすい時期とされますが、過ぎたからといって手遅れではありません。


この記事でわかること

この記事では、次の内容を説明します。
・子犬のしつけが必要な理由
・しつけを始める時期
・社会化期とは何か
・褒めるしつけの基本
・叱らずに伝える考え方
・オスワリ、フセ、ハウスの基本
・困ったときに頼れるパピークラス


子犬のしつけはなぜ必要?

犬のしつけというと、「オスワリ」や「フセ」を思い浮かべる人が多いかもしれません。
では、なぜ子犬にオスワリを教えるのでしょうか。
理由のひとつは、愛犬を危険から守るためです。
たとえば、外で急に興奮して飛び出してしまったり、人に飛びついてしまったりすると、事故やトラブルにつながることがあります。
そのような場面で、飼い主さんの声を聞き、落ち着くことができれば、愛犬自身を守ることにもなります。
つまり、しつけは「犬を支配するため」ではなく、
犬が人間社会の中で安全に暮らすための練習
と考えるとわかりやすいです。
これは、適正飼養の視点からも大切なことです。
犬の本来の行動を理解しながら、人と犬が一緒に暮らすためのルールを少しずつ伝えていく。
その積み重ねが、ペットと人が共に暮らせる社会にもつながっていきます。


子犬のしつけはいつから始める?

子犬のしつけで大切な時期として、「社会化期」があります。
社会化期とは、子犬がさまざまな経験を受け入れやすい時期のことです。
一般的には、生後12週ごろまでが特に大切な時期とされています。
この時期に、人、犬、生活音、外の環境などに少しずつ慣れていくことで、将来の暮らしやすさにもつながります。
ただし、一般家庭に子犬が来るのは、早くても生後8週前後であることが多いです。
そのため、飼い主さんが社会化期の子犬と過ごせる期間は、意外と長くありません。
だからといって、焦りすぎる必要はありません。
社会化期を過ぎても、犬は学ぶことができます。
時間がかかることはありますが、愛犬の性格やペースに合わせて、少しずつ練習していくことが大切です。
もうひとつ、飼い始めは「しっかり教えなければ」と、しつけを張り切りすぎてしまう飼い主さんもいます。
でも、一日にたくさん詰め込みすぎると、子犬にとっても飼い主さんにとっても負担になってしまうことがあります。
子犬の集中力は長く続かないため、1回数分の練習を、暮らしの中で少しずつ行うくらいから始めるとよいでしょう。
完璧を目指すよりも、愛犬が「できた」「楽しい」と感じられる経験を少しずつ増やしていくことが大切です。


子犬のしつけの基本は「褒めること」

子犬のしつけで基本になるのは、望ましい行動を増やしていくことです。
たとえば、子犬がオスワリをしたときに、
「イイコ」
と声をかけて褒めます。
ただし、最初から子犬が「イイコ」の意味を理解しているわけではありません。
そのため、最初は「イイコ」という言葉と、子犬にとってうれしいことを結びつけていきます。
たとえば、次のような流れです。
子犬が望ましい行動をする
すぐに「イイコ」と声をかける
2とほぼ同時に、おやつなどのごほうびを与える
3の「ごほうび」は、子犬が素直にうれしいと感じるものを選びます。
おやつだけでなく、撫でられるのが好きな子犬なら「撫でること」もごほうびになります。
このとき大切なのは、タイミングです。
子犬がよい行動をした直後に「イイコ」と伝えることで、
「今の行動がよかったんだ」
と理解しやすくなります。
どうしておやつだけではダメかというと、
子犬が望ましいことをしたときにおやつを持っていないと
「タイミング」を逃してしまうからです。
「タイミング」を逃すと、子犬は何が良い行動だったのか
分からなくなってしまいます。
慣れてきたら、おやつを毎回あげる必要はありません。
少しずつ回数を減らしたり、おやつ以外のごほうびに変えたりしても大丈夫です。
大切なのは、愛犬が「できた」「褒められた」と感じられることです。


問題行動は叱るより、伝え方を工夫する

子犬が甘噛みをしたり、散歩中に引っ張ったりすると、つい大きな声を出したくなることがあります。
最近は子犬のしつけで叱ることは良くないと言われています。
その理由のひとつは、「しつけだけでは解決しないこともある」からです。
詳しい内容は次章で述べますが、問題行動の原因が別にあるのに、問題行動を叱って直そうとすれば、さらにストレスが溜まってしまいます。
ストレスで別の問題行動を起こすこともあります。
叱るしつけが絶対にいけないとは言い切れませんが、十分な知識と技術が必要でリスクも伴うということは覚えておくべきでしょう。
では、叱らないしつけとはどうすればいいのでしょうか。
たとえば、遊んでいるときに子犬が手を甘噛みした場合は、大きな声で叱るのではなく、遊びを一度中止します。
すると、子犬は少しずつ、
「甘噛みをすると楽しい遊びが終わってしまう」
と学んでいきます。
散歩中に強く引っ張る場合は、引っ張った瞬間に立ち止まる方法もあります。
「引っ張ると前に進めない」と伝えることで、少しずつ落ち着いて歩く練習につながります。
大切なのは、犬を怖がらせることではなく、犬が理解しやすい形で伝えることです。
もうひとつ、問題行動をやめたときに、
十分褒めてあげることも大事なポイントです。


しつけだけでは解決しないこともある

家の中で粗相をしたり、急に吠えることが増えたりしたとき、すぐに「しつけができていない」と考えてしまうことがあります。
しかし、行動の背景には、ストレスや環境の変化がある場合もあります。
たとえば、次のような変化です。
・引っ越しをした
・部屋の模様替えをした
・家族が増えた
・新しいペットが来た
・生活リズムが変わった
犬にとっては、人間が思う以上に大きな変化かもしれません。
また、いわゆる「問題行動」と呼ばれる行動の中には、犬にとっては自然な行動もあります。
知らない相手に警戒して吠えること。
においを確認すること。
動くものを追いかけたくなること。
これらは、犬の本能や性質と関係している場合があります。
もちろん、人間社会で暮らすためには、周囲に迷惑をかけないように練習することも必要です。
ただし、犬の行動をすべて「悪いこと」と決めつけるのではなく、犬の気持ちや背景も考えながら対応することが大切です。
これが、動物愛護や適正飼養の視点でも大事な考え方です。


子犬に最初に教えたい基本トレーニング

子犬に最初に教えたい基本行動として、次のようなものがあります。

オスワリ

オスワリは、子犬が落ち着くための基本行動です。
飛びつきそうなときや、興奮しているときに、オスワリができると危険を防ぎやすくなります。
最初は、おやつやフードなどを使って、自然に座る姿勢へ誘導します。
座れたら、すぐに「イイコ」と褒めます。
慣れてきたら、少しずつおやつの誘導を減らし、最終的には声の合図だけで座れることを目指します。

フセ

フセは、愛犬が落ち着いて待つために役立つ行動です。
たとえば、ペット同伴可能な飲食店や外出先で、静かに待ってほしい場面があります。
そのようなときに、フセができると、犬も人も落ち着いて過ごしやすくなります。
教えるときは、オスワリと同じように、最初はおやつやフードで姿勢を誘導します。
できたらすぐに褒め、少しずつ合図と行動を結びつけていきます。

ハウス・クレートトレーニング

ハウスやクレートは、犬を閉じ込める場所ではありません。
愛犬にとって、安心して休める場所にしていくことが大切です。
最初は扉を開けたままにして、クレートの中にフードを入れるなど、楽しい経験と結びつけます。
慣れてきたら、短い時間から中で過ごす練習をしていきます。
クレートは、来客時、留守番、移動、災害時の避難などにも役立ちます。
ペット防災の視点からも、無理のない範囲で慣れておくと安心です。
ただし、罰として閉じ込める場所にしてはいけません。
クレートを嫌な場所にしてしまうと、かえって不安が強くなることがあります。


社会化期のトレーニングで気をつけたいこと

社会化期は、子犬がいろいろなことを受け入れやすい時期です。
しかし、何でも無理に経験させればよいわけではありません。
嫌がっている子犬を無理に人や犬に近づけたり、怖がっている場所に長くいさせたりすると、嫌な経験として残ってしまうことがあります。
社会化で大切なのは、
「怖い経験をさせること」ではなく、
「安心できる経験を少しずつ増やすこと」
です。
愛犬の様子をよく見ながら、無理のない距離や時間から始めましょう。


困ったときはパピークラスも選択肢

初めて子犬を飼う場合、しつけに不安を感じるのは自然なことです。
そのようなときは、プロの手を借りるのもひとつの方法です。
動物病院やしつけ教室などでは、子犬向けの「パピークラス」が行われていることがあります。
パピークラスでは、子犬の社会化だけでなく、飼い主さんがしつけの基本を学べる場合もあります。
似たものに「パピーパーティー」があります。
パピークラスは、同じメンバーで複数回レッスンを行うことが多く、少しずつ慣れていきやすいのが特徴です。
パピーパーティーは、単発で参加できることが多く、いろいろな犬や人と交流しやすい一方で、犬の性格によっては少しハードルが高い場合もあります。
愛犬の性格や飼い主さんの不安に合わせて、無理のない方法を選ぶとよいでしょう。


まとめ

子犬のしつけは、犬を厳しく従わせるためのものではありません。
愛犬が人間社会の中で安全に、安心して暮らしていくための練習です。

大切なポイントは、次の通りです。

子犬の時期に気を付けたい
・子犬のしつけは、社会化期を意識して早めに始める
・基本は叱るよりも褒めること
・「イイコ」とごほうびを結びつける

成犬になってからも
・社会化期を過ぎても、犬は学ぶことができる
・問題行動の背景にはストレスや環境の変化があることもある
・犬にとって自然な行動も理解する

共に楽しく暮らすために
・オスワリ、フセ、ハウスは暮らしや安全に役立つ
・困ったときはパピークラスなどを利用するのもよい

完璧なしつけを目指すよりも、愛犬の性格や暮らし方に合わせて、お互いが安心して過ごせる形を見つけていくことが大切です。
犬の気持ちを理解しながら、人間社会で暮らすためのルールをやさしく伝えていく。
その積み重ねが、適正飼養であり、ペットと人が共に暮らせる社会づくりにもつながっていきます。


ミニクイズ

今回紹介した「社会化期」「褒めるしつけ」「オスワリ」「フセ」「クレートトレーニング」などの知識は、子犬と安心して暮らすための大切な適正飼養の基本です。
動物愛護の精神や、ペットと人が共に暮らすための知識を、少しずつ楽しく学べる形にしていきます。

Q1. 子犬のしつけの目的として、この記事で大切にしている考え方はどれ?
A. 犬を人間の命令に必ず従わせること
B. 犬が人間社会の中で安全に安心して暮らすための練習
C. できるだけ早く芸を覚えさせること
D. 失敗したらすぐに叱ること

答え:B


Q2. 社会化期の経験で大切なのはどれ?
A. 怖がっていても無理に慣れさせる
B. できるだけ大きな音や刺激を一度に経験させる
C. 安心できる経験を少しずつ増やす
D. 他の犬と必ず遊ばせる

答え:C


Q3. クレートトレーニングで避けたいことはどれ?
A. フードを使って楽しい場所にする
B. 短い時間から慣らす
C. 災害時や移動にも役立つ場所として考える
D. 罰として閉じ込める場所にする

答え:D

 

コメント